残業手当はありません

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「ご近所さん」なき世界

 だれも、あなたのことを脅かそうとはしていませんよ。そんな労力使うだけ損ですから。そういってあげたいことが、最近よくある。

 

 一人で暮らすようになってだいぶ経つけれど、「ご近所さん」という考え方はどんどん廃れていくのだと感じる。別に深い関係をもつわけでもない。ただ、たまたま近くに住んでいるだけの関係で、あいさつくらいはするけれど、それ以上の深いかかわりは持たない、そんな関係。0と1だけでつくられる認識にはそぐわない、あいまいな関係性。

 

 最近、都心に住む人が潔癖になっているのか、防犯意識が行きとどいているのかわからないけれど、今日、家へ帰る階段を上ろうとしたら、まさにそのとき出かけようとしていた階下の住人が、こちらに気づいて、慌てて扉を閉めるのをみた。私が時代に乗り遅れているのかわからない。けれど、アパートメントの狭い階段、行き合うこともあるのだから、そのときには「おはようございます」や「こんばんは」の挨拶くらいするのが、大人の付き合いだと思いますけどね。

 まるで、自分はそこには住んでいません。あなたとは一切、かかわりあいになる気はありませんから、放っておいてください。だから、あなたも私の前に姿を現さないよう努力してください。顔も見られたくないんです。そういうメッセージを、先のふるまいから感じたわけです。

 

 だから、冒頭のように思う。あなたが思うほど、ほかの人はあなたに関心を持っていないのですよ。

 

 私の住むアパートメントの住人たちは、ほかの住人に怯えながら暮らしているのだろうか。そんなに怯えるのならば、引っ越してきた時にあいさつをすればいい。顔が分かるだけでもだいぶ違うはずだ。人間は未知を恐れるものだと思う。未知の暗がりを照らす努力をしないならば、とるべき態度はこうだ。隣人がどんな人間でも気にしない、行き合えば挨拶はするけどね。それくらいのスタンスが、ちょうどいいのではないか。なんでもかんでも、身内とそうでないものに切り分けるなんて、こんなぐしゃぐしゃに人の暮らす場所では無理に決まっているのだから。