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「いま」はまだ、つぼみ(第58回京成杯のこと)

 おじさんパワーをみせられたね、といった内容のことを横山典弘騎手が話していたのは、2009年の天皇賞(秋)の優勝インタビューだったか。

 とはいえ、無理をさせずに、大事にレースを使われてきたカンパニーは、まだまだパワーにあふれていた。ノリさんも中年の枯れた感じではなく、自然体ということばに相応しいさわやかさがあった。そして、このコンビでマイルCSも勝って有終の美を飾る。

 競走馬としてのキャリア、その最後にピークがやってくることがある。そのことが分かっただけでも大きな希望がある。

 

 そんなカンパニーの仔であるイェッツトが京成杯に出走した。

 この世代の産駒はとうとう20頭を下回ってしまった。おじさんパワーは、なかなか子どもたちには継承されないようだ。

 父は潜在能力が高かったから、完成する前から一定程度の力を発揮して賞金を稼いでいたけれども、本質的にゆっくり仕上がる血統なのか、子どもたちが早々に活躍する様子はみられない。そんななかで、イエッツトは道中で重賞のペースに戸惑いながらも、最後はよく追いこんで3着までやってきた。

 

今はまだ、そこまででいい。完成のときを待ちながら、レース経験を重ねてほしい。

今はまだ、つぼみだから。大事に育ててほしいとも思う。

けれども、いつかきっと父の蹄跡をのりこえて、大きなレースに勝ってほしい。

それが、遠くない未来、蛯名正義の悲願をかなえる大輪の花であればと思う。