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光る未来のヒロインへ(第81回桜花賞の展望)

 わたしは古い価値観から抜け出せないものだから、どれほどGIが増えても、やはり八大競走こそ至高なのだと思う。3月にGIが移されたり作られたりしても、やはり桜花賞がはじまりだと感じる。

 そもそも、すべての競走馬は母馬からはじまるのである。いうまでもなく、桜花賞は芝1600mでの競走能力によって繁殖牝馬を選別するものだ。そして、現代サラブレッドにとって最も重要であろう、良質なスピードの持続力とレース終盤での瞬発力を測定するに相応しく、次の時代のサラブレッドに対する期待を集める舞台でもある。


 桜花賞とは、はじまりである。


 ディープインパクトキングカメハメハが2019年に逝き、デビューを待つ産駒もわずかとなった。新たな血統勢力図が描かれる、そういう時代がまもなくやってくる。

 サンデーサイレンスの偉大な血のよる支配という構造は簡単に変わらぬにせよ、その孫、あるいは曾孫たちのなかから覇権を握る者があらわれるだろう。またもう一つのヘイルトゥリーズン、ロベルトの血脈も勢力拡大、あるいは逆転を狙っているだろう。未来は誰の手によるものとなるか。


 桜花賞とは、未来である。


 未来に相応しい馬の名を高らかに叫び、その輝かしい前途を祝そう。さて誰の名を呼ぼうか。

 ソダシであろうか。純白、そして純粋に金子真人の馬。2000年代、そして2010年代日本競馬を代表する血を包含する馬である。阪神JFでサトノレイナスに迫られても抜かせない、その力は確かであろう。しかし、それは変革の深い衝撃をわれわれに与えるものであろうか。

 ならば、ライバルと目されるサトノレイナスであろうか。こちらも狭いところを抜けて伸びてきたその鋭さは、ディープインパクトあるいはサンデーサイレンスの血を強くうけた強者の姿であった。しかし、それは次世代のさきがけとなりうるか。どうしても、金子の勝負服より前に出られない。ダイヤモンドの皐月賞、ダービーの記憶がよみがえる。


 そういえば、過去の競走馬の魂に、新たな未来を与えるゲームが流行しているらしい。現実の競馬だけで手一杯であるわたしには縁遠いものであるが、その精神は、まさに競馬という営みそのものであろう。競馬をとは常に、過去を乗り越えようとする未来志向の営みである。変化しない者は置き去りにされるしかない。未来は、どこにあるのか。


 ◎は、ファインルージュとする。


 着実に距離延長をこなし、脚の溜まりにくい展開であっても、また急坂を登っても衰えることのなかった末脚。前走は、今後さらに輝く才能を予感させるものであった。舞台が阪神外回りにかわり、父キズナ毎日杯でみせた鋭さを再現する。彼女は次世代を担う新たなヒロインたり得るだろう。

 ◯は、同じくキズナの仔であるソングラインを挙げる。2走前の府中での未勝利戦は、内に進路を切り替えながら鮮やかに抜け出した。その鋭さは、◎と同様にキズナからの正統な進化とみえた。

 ▲は、サトノレイナス。△は、ソダシとする。けなしてしまったが、2頭がみせた才気は無視してよいものではない。


 単勝 2

 馬単 2=18

    2,16,18→4

 馬連 2-16,16-18

 3連単 2→16,18=1,4,8,12,13,17


 血は水よりも濃く、その赤は鮮やかに未来を照らすだろう。