皐月賞で求められるのは、完成度と爆発力のバランスだろう。牡馬クラシックの一冠目、そして小回りで直線の短い中山2000mコースということもあって、ある程度の完成度と操縦性がないと不安である。操縦性に欠く場合にはそれを補うだけの力、終盤に力強く抜け出す速度が求められる。ゴールドシップ、ドゥラメンテは、破壊的末脚で他を圧倒したものといえよう。また、長く続いた中山開催の最終週ということもあり、力のいる馬場への対応も求められる。
操縦性という観点からみれば、暮れの2歳戦で上位にきた者たちは、そのレースぶりをみる限り、完成度(早熟性ともいえる)については他馬よりも先んじていると考える。皐月賞は「速さ」だけでなく「早さ」も必要とされるのだとするならば、早くから活躍した者を上位にとるべきだろう。
そういった条件を踏まえたうえで、第一冠を勝ちとる者を考える。
◎は、ステラヴェローチェとしよう。
この馬は馬場が重くなったときのパフォーマンスが注目されがちだが、本領は馬場が乾いた時にこそ発揮されるとみる。厳しい流れになっても位置をとって道中を慌てずに進めれば、終いは確実に脚を伸ばして鮮やかに勝ち切る。ブラッシンググルームからバゴの系譜を次代につなぐためにも、ここは負けられない。
◯は、ダノンザキッドである。
ホープフルステークスでのパフォーマンスは、当馬の力が確かなものであることを証明している。急坂でも鈍ることなく最後まで伸び切ったことから、コースに対する不安もない。完成度という点では最上位といってもいい。
▲は、レッドベルオーブにした。コントレイルと相似の配合である当馬は、中京の未勝利、そしてデイリー杯2歳ステークスで、高速決着に対応できるだけの速度をみせてきた。速さへの対応においては不安がない。外枠への対応が上手にできれば勝機はあるだろう。
今回は、△まで付けておく。どうしてもアドマイヤハダルが気になって仕方がない。調教の様子からみるとこの中間の上昇度が高そうである。ただし勝ちまではなかろう。ルメール騎乗でやや人気が過剰な感じもあるが、印を回す。
単 3
馬連B 3,8,16
馬単 3,8,16→1
3連単 3=8,16→1,5,6,7,9,10,11,13,14,15
今回は、2歳戦から活躍してきた馬たちの完成度を上位にとった。トライアルはトライアルにすぎず、その真価は本番でこそ測られる。ならば彼らが早くからみせた輝きを、その速さの再現を信じようじゃないか。