阪神競馬は、オセアニアである。あるいは、香港だといってもいい。特に内回りコースはその傾向が強い。
大阪杯、宝塚記念の好走馬に香港やオセアニアでの活躍馬が多くみられることが、その証明となるだろう。また、阪神の芝短距離におけるデインヒルの影響力の強さは無視できず、これもオセアニア的な傾向のあらわれだといえる。
仁川の天皇賞が、淀と同じであるはずがないのである。
折り合いと機動力で他に先んじて優位を築くレースではなく、もっと原初的な速度や体力が求められる。もっといえば中山的な、早めに進出して力で押し切るような、そういうレースのできる馬に希望を託したい。
アリストテレスは、阪神大賞典での走りをみると、直線の坂の手前あたりでレースをやめているようにみえる。あるいは頑張りきれなかったようにみえる。馬場の悪さもあったとはいえ、さらに200m延びる今回は評価を下げなければならない。
同じレースで勝ったディープボンドも、こちらはあまりにうまくゆきすぎたという印象で、同程度のパフォーマンスを再現するのは難しいのではないか。
ユーキャンスマイルは、阪神での天皇賞開催という、千載一遇の機会がめぐってきたという思いもあろうが、オセアニアではキングマンボ系の活躍が少ない。血の宿命を乗り越えるだけのパンチ力がはたしてあろうか。
5歳の牡馬たちは、はたしてどうか。谷間の世代と評価されて、牝馬の活躍ばかりが目立つ。ウインマリリン、カレンブーケドールに日経賞で敗れたワールドプレミアは、機動力こそみせたが、叩いての上昇はどこまであるだろう。
ならば勝つのは、誰だ。
力んで道中ちくはぐだった前走、それでも一旦先頭に立ち、勝ち切るかというところまで進み、最後にサボって差されたあいつを本命としたい。
◎は、オーソリティだ。
父オルフェーヴルが最も強さをみせたレースは、どのレースだろう。直線、最後にサボって負けた1度目の凱旋門賞挑戦か。それとも、ラストランの有馬記念か。どれも違う。やはり3角逸走から2着まで盛り返したギュスターヴクライの勝った阪神大賞典だろう。血統的に阪神コースとの相性は悪くないはずである。潜在能力の高さは皆が知っている。
◯は、いつでもどこでも頑張るカレンブーケドールとしよう。どうしても勝ちきれないところはあるものの、毎回どんな条件、どんな相手でもきちんと頑張ってくるのは、やはり才能である。血統的に距離の不安はあるかもしれないが、ディープらしくないナタの切れが持ち味であるから、ここでも上位だろう。
▲は、新興勢力ディアスティマ。北村友一とのコンビ継続で互いがよく知り合う関係性が築けている。長距離レースでの出し入れ、駆け引きにはコンビの完成度がプラスに働く。重視したい。
単 17
馬連BOX 3,5,17
3連単 17→3,5=1,2,7,10,12,13,14,15
メルボルンカップに勝つような、コックスプレートで好走するような、そういう馬たちを中心に据えた。
阪神競馬は、豪州競馬である。