桜花賞からの1週間はとにかく長かった。
授業が始まった途端に学校に出てこられなくなった先生があったり、例のはやり病の影響があったりで、対応に追われててんやわんやになってしまった。
これまでとにかく軽薄に、とにかく無責任に生きようと心がけてきたのに、気がつけば現実の事務、責任に追われている。当然、自分の授業はなくならないわけで、その準備を深夜にしていると自分の仕事を見失いそうになるのだ。自分の意思では制御できない物事によって、手のなかにあったはずのものがこぼれ落ちてゆく感覚。
混沌のなかへ沈んでゆくような、じわりと脚をからめとられてゆくような、生活がすこしずつほころびてゆくような、不安で、不穏な感覚。
けれども、そんな感覚のあるときは、まだそれほど事態は悪くなっていない。われわれにはみえにくいだけで、核となる、柱となる存在がきちんとある状況なのだ。混乱のさまをみつけると外野にいる者は深刻化を夢見るようだが、それはカオスに酔っているにすぎない。ほんとうに収拾のつかない混沌は、安心と安定の向こう側から突然現れる。外野からカオスにみえているものは、賢者からすればすでに再編され、秩序をとりもどす道筋がみえているものなのだ。
皐月賞は例年にない混戦模様とみえているようだが、勝っていい馬は4頭しかいない。
皐月賞に必要なはやさ(直線での速度と早熟さ)をもっているのは、イクイノックス、ジオグリフ、ダノンベルーガ、ドウデュースの4頭だろう。前目で運びたい馬が多いのでポジション争いが激しくなりそうななかで、落ち着いて前半を進めながら4角から直線で一気に勝負を決められる脚の速さが必要になるとみた。
4頭のなかでどうしても不安なのは、ドウデュースだ。
前走のゴール前で鞍上がみせた不自然なアクション。あれはなんだったのだろう。少し緩めるような、よろけるような感じは。あの残像が残って味が悪いのだ。説明がつかないなにか呪術的なものをみたような不穏さ。それと縁づきたくない思いがドウデュースを下げさせる。
一番強いのはジオグリフだろう。
札幌2歳Sでの圧倒的な力をみれば、当時、来年の主役はこれと決まったようなものだ。後から出てくるものたちに目うつりしている者も多いようだが、終わってみれば、昨年のうちから勝負はわかっていたということになるだろう。
あとは、そのジオグリフを前走で負かしたダノンベルーガ。走るたびに成長する姿をみれば、キャリアの少なさは問題にしなくていいだろう。
ルメール先生イチオシの天才イクイノックスは、桃帽大外と長い休みに初コースなど乗りこえなければならないものは多いが、そこは天才なので一気に突き破ってしまう可能性はある。
◎ジオグリフ
◯ダノンベルーガ
▲イクイノックス
すでに答えは示されているのであり、そこまで迷うことはないというのが正直な印象です。あとのお馬さんは3着まででしょう。ドウデュースが2着以上だったら、わたし自身が不安にからめとらわれていたということですね。そうではないことを願うばかりです。
ああ、買い目は優れた有料配信者の方がいますから、そちらを参考にした方がいいですよ。ここは、日記みたいなものなんでね。はい。