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その馬には使命がある(第88回東京優駿・日本ダービーの展望)

 ダービーに集う馬たちは、なにかしらの使命を与えられてやってくるものだ。それにかかわる人の思い、馬自身のもつ血の因縁、同世代の馬たちの間で生じるライバル性、さまざまな物語が積みかさねられてきた。そして今年も、新たなストーリーが紡ぎだされようとしている。

 さて、これから語ろうとすることは、わたしの願望だ。展望、予想を試みてみたものの、勝つ馬を予測しようとすればするほど、その馬こそが「勝たねばならない、勝つべきなのだ」という思いが心を占めてゆくのだ。だから予測や予想ではなく、願望だ。


 その願いの名前は、ステラヴェローチェという。


 彼の父、凱旋門賞馬であるバゴが日本の土を踏んだのは2005年の秋、アルカセットデットーリを鞍上にレコード勝ちしたジャパンカップのことだ。当時の印象は「フランスのナイスネイチャ」であり、ウィジャボードを応援していた私の視線の端に、じりじり伸びてくるその姿がみえたことを覚えている。(ちなみにウィジャボードは次の年にもジャパンカップにきて、わたしの懐をちょっとだけあたたかくしてくれた。それはさておき)

 ジャパンカップは負けてしまったけれど、バゴは繁殖初年度産駒からビッグウイークとオウケンサクラを出して、順調に血が伸びそうだと期待した。けれどもその後は、なかなか活躍馬が出なかった。最近はクロノジェネシスの活躍で再注目されそうではあるものの、彼に残された時間は少ない。そのなかで出てきたのがステラヴェローチェだ。

 日本でブラッシンググルームをもつ馬といえば、ヤマニンゼファーマヤノトップガンテイエムオペラオーレディパステル。どの馬も勝ち切るときには、鮮烈な印象を残してきた。大舞台での鮮やかな一発の魅力。その血をつなぐために、今こそ潜在能力を開花させるときなのだ。広い府中での生命力の削りあいになったとき、もっとも強いのは彼だ。

ブラッシンググルーム、ナシュワン、バゴとつながる系譜を日本の血に残すのだ。ステラヴェローチェよ、種牡馬になれ。

 相手は、ステラヴェローチェが皐月賞で後方を進む展開から直線内を伸びていたとき、同じく後方から外をまわって力強い伸びをみせたヨーホーレイク(皐月賞で追いこみ、差し損ねた馬は力がある)と、毎日杯を勝って今回は福永に手が戻るシャフリヤールをとる。

 


◎ステラヴェローチェ

◯ヨーホーレイク

▲シャフリヤール

 


単 11

馬連・ワイドBOX 8,10,11

3連単 11=8,10→1,4,5,6,7,12,13,14,15,16

 


 凱旋門賞馬であるのだから、幾度も「オーイ、バゴ、イッショニ、フランスヘカエロウ」と言われただろう。それでも「アア、ヤッパリジブンハ、カエルワケニハイカナイ」と、きょうもバゴは静内の空に叫んでいるかもしれない。