海外へ研修に出ていた人に宛てて文章を寄せた。わずかな人しか読まない媒体に寄せたものなので、ここにもおいておく。 日本の夏は、失われた命に思いを致す季節であると考えています。 お盆に先祖を思うことはもちろんですが、8月6日の広島、8月9日の長…
人間の社会は、人間が他者に対する善意をもつことを前提に設計されていて、あるいは、社会全体の善意に対する信用をどれだけ高められるかが、社会運営の円滑さを決定する。ゆえに、高度に社会化されたと自認している社会は、相互の信用度が非常に高いため、…
以前、有用性の奴隷になるなという話をした。 役立つことにとらわれすぎると、結果的に奴隷根性が身につくという話だ。 関連して、人生にはメインの出来事とサブの出来事があるのかということを考える。 観測の範囲が狭く、今よりももっと想像力の射程が短か…
これが最後のダービーかもしれないと、思うことがある。 それは競馬がなくなるとか、じぶんが死ぬとかそういうことではなくて、この国の競馬の質が大きく変わって、ダービーがダービーとしての機能を果たさなくなるのではないか、ということだ。 競馬は、競…
中111日でのグランアレグリアによる桜花賞制覇。そして、中106日のサートゥルナーリアによる皐月賞制覇。2週続けて「休み明け」でのクラシック制覇となった。もはや、休養明けを理由にすることは言い訳に過ぎない。調教技術の向上、特に美浦・栗東の両トレー…
書きたいことはたくさんあるのだけれども、最近は自分のなかで話題が発酵するのに時間がかかっているために、なかなかまとめることができない。ちょっとした気づきはすぐにつぶやいてしまうから、半生の思考そのままで流れ去ってしまうことが多い。つぶやき…
きょうのエントリは遠慮会釈ない100%エロ、ヘテロセクシュアルの男性向けネタです。 そのようなネタがお嫌いな方は、この下につらなるテクストは読まないでください。警告しましたからね。 理解されないことを承知でいうけれども、基本的に視覚的な刺激とい…
アーモンドアイは確かに強い。 そして、龍王の娘である以上、京都の内回りを苦にするとも思えない。 負けてしまうとするならば、エアグルーヴのようにレース中に傷んでいたときだけだろう。 それでも。 ラッキーライラックに勝ってほしい思いもあり、あるい…
新馬戦を全部買う、という試みを頑張っている。馬券の成績自体は芳しくないけれども、わずかな金額でもしっかり投票して、もれなくデビューを見守ることがこの夏の目標である。 先週末は勤務先の大きなイベントで、土曜と日曜がまるまる仕事になってしまった…
夏競馬へ向けての助走がはじまっているわけだが、まだアタマはぼんやりとしている。函館が開くまではまだ夏本番という気分にはならないのかもしれぬ。 例によって時間が作れないので、スマートオーディンの帰ってくるエプソムカップと、なかなか旨味のありそ…
和田竜二は言った。「完璧なレース。あれしかなかったと思う。プレッシャーだっただろうけど、やっと選ばれたんじゃないですかね。」 ワグネリアンと福永祐一が勝って、今年のダービーは終わった。そしてまた、新たなダービーのための1年がはじまる。 そんな…
ダービーの日は、自分の競馬観を試験されるような気分になる。 この世代の新馬戦が始まってからの一年、自分がどのように競馬を観てきたのか。ひとレースごと、一日ごと、一週ごと、一開催ごとの蓄積が正しかったか、誤りだったか。揺るがぬ信念があったか、…
土曜午前のレースを日吉が丘で観るのが好きだった。 広い府中の競馬だから草競馬のおもむきとまではいかないけれど、それでも、日曜日にくらべて、のどかでゆるやかな時間が流れていた。いまの職場は土曜も仕事があるので、もうそんなゆったりとした時間は、…
先週はわりと真剣に予想をしたのだけれども、結果は渾身の◎ミスターメロディが4着という結果。 かなしみにうたれた私は京王線に乗ることができず、是政まで歩き、西武多摩川線に乗った。あきらめきれない思いをかかえたときや、競馬の余韻を少しでも長くもっ…
思い返せばその兆候は、第1回のときからあった。 タイキフォーチュンが勝った、というよりはファビラスラフインが負けたレース。2月終わりのデビューから、さわらび賞、ニュージーランドTまでを圧倒的な才能で3連勝した彼女が、激流に呑まれて惨敗したあのと…
自動車レースのレーサーたちに「レースは怖くないのか」と問うと、きまって次のようにこたえる。レースのときに周りを走るのはすべてプロのドライバーであり、運転の下手な人がいないので一般の人が想像するほど恐怖はない。むしろ、普通の道を走っているほ…
スプリングSと毎日杯がおわり、桜花賞と皐月賞へ向けてのトライアルは終了した。2歳から活躍してきた馬たちは、一部に誤算はあったものの緒戦をおおむね順調にパスした。中心になるであろう馬たちの故障も、いまのところ少ないのがよいことで、ダノンプレミ…
『この素晴らしい世界に祝福を!』(角川スニーカー文庫)を読んでいる。 ひとまず、本編13巻までを読みおえたので、現時点での感想を簡単に記しておく。 『このすば!』は、基本的に登場するキャラクターの「ダメ」な部分が前面化していて、これが物語の展…
板東英二がよく「王と長嶋さえいなければ」ということがある。V9巨人を象徴する、というより戦後プロ野球の神であるふたり。そのような他を圧倒するような存在と違う時代にうまれていれば、自分の運命はまったく違ったものになっただろうと、冗談めかして(…
あるところで、餞のことばを述べることになった。しかし、まとまりのないことになってしまったので、伝えようと考えていたことをあらためてここに書きしるしておく。 いま、早熟の天才がもてはやされる傾向があります。将棋の藤井聡太六段に代表されるように…
あまり多くの人の目にふれない媒体へ文章を寄せたので、ここに転載しておく。 たいていの場合、大事なものや大切なことは事後的に発見されて、なぜあのときもっと丁寧に扱わなかったのだろうとか、どうしてあんなに重要なことを見落としてしまったのだろうと…
もうだいぶ時間が経ってしまったけれど、共同通信杯のふりかえりを。 共同通信杯のオウケンムーンは遊びを残していたという印象だ。最後は首高な感じでまだ余裕がある印象だ。 新潟でデビューしたときは少し不器用なのかなと思ったが、新潟の2戦目を圧勝して…
固有名があきらかな状態で、人の群れている状況が苦しい。 お互いに相手が誰かを知っており、逃げ場のない状況が。 だから、雑踏や人ごみ、無名の観衆となれる場所にゆくと安心する。 そこにいる人々は自分も含め、隣にいる人間が何者であるかに興味がないか…
フィクションを自身の体験に引き寄せすぎると、その劇空間を楽しめなくなってしまうことがある。『からかい上手の高木さん』(@takagi3_anime)も、たぶんそういうタイプの作品なのだと思う。 そもそも「からかう」ということ自体が、それぞれの人間関係をベ…
おじさんパワーをみせられたね、といった内容のことを横山典弘騎手が話していたのは、2009年の天皇賞(秋)の優勝インタビューだったか。 とはいえ、無理をさせずに、大事にレースを使われてきたカンパニーは、まだまだパワーにあふれていた。ノリさんも中年…
フサイチパンドラの印象はあまりない。フサイチパンドラの優勝した2006年のエリザベス女王杯は、繰り上がり1着になった彼女よりも1位入線したカワカミプリンセスの斜行が印象に残っている。次の年の女王杯でも2位入線した彼女だったが、そのときは、ダイワス…
優か劣か そんなことが話題になる、 そんなすきまのない つきつめた姿。 持てるものを 持たせられたものを 出し切っている 生かし切っている そんな姿こそ。 大村はま「優劣のかなたに」の冒頭である。だれかと比較すること、どちらが優れているかと競うこと…
感想文の季節である。 日本の学校空間における感想文の位置づけは、抑圧の装置以外のなにものでもない。 私の職場でも、当然その営みは年中行われている。校外学習へ行きました、感想文を書く。芸術鑑賞会がありました、感想文を書く。他にも普段の授業内で…
食三法の仮施行がはじまるらしい、ということにふれてからひと月以上経ってしまった。その間に仮施行も終わってしまった。何が行われていたのかを知りたいひとは、以下のリンクを参照されたし。 ameblo.jp twitter.com さて、8月1日から8月10日まで、上野の…
食三法が復活するということなので、条文を整えてみた。今日のところは、施行規則のほうまで手がまわらなかったので、条文だけアップしておく。 食三法ブログ http://ameblo.jp/3hinmokuhou/ 食材三品目法 (目的) 第一条 この法律は、日本国をとりまく食糧…